🎹ピアノ教室で口を閉ざした日
「○○ちゃん」って呼ばれたら、
決まった音程で返事をする。
それが、私が通っていた幼児向けのピアノ教室のルールだった。
私は普通に返事をしたつもりだった。
でも、その返事に、お母さんたちの笑い声が起きた。
何がおかしいのか、分からなかった。
もう一度、と言われてやり直した。
だけど、また笑われた。
何回か繰り返すうちに、
返事をするのが怖くなっていった。
そして、最後は、声を出すのをやめた。
それは、諦めでもあったけど、
精一杯の「無言の抵抗」でもあった。
🕊 はっきりとした記憶は曖昧なのに、空気だけが残ってる
細かい状況は思い出せない。
でも、あの場の空気、恥ずかしさだけは、
今でも覚えてる。
その場で声が出せなくなっていく私を、
母はどんな気持ちで見ていたんだろう。
私は「申し訳ない」と思っていた。
💬 このとき、私は学んでしまった
自分の気持ちや考えを声に出すのが怖くなったのは、
きっとこの経験がきっかけだった。
「間違ったら、笑われる」
「恥をかくくらいなら、黙っていよう」
今も、人前で話すのが怖いのは、
この頃の私の“学び”が、
まだ心の奥に残っているからかもしれない。
▶︎次回の記事:「学級委員になった日、私は“自信を持たない”ことを決めた。」
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